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労働基準法による休憩時間のルールを知ろう

労働基準法による休憩時間のルールを知ろう 労働基準法のポイント

 健康的に働くために、休憩時間はとっても重要です。
 休憩時間に関する法律のルールとは? 休憩の三原則とは? 休憩時間についてよくある質問頻発するトラブルとは?
 全121条の労働基準法から実務直面する条文ピックアップ
 元労働Gメンがわかりやすく解説します!

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労働基準法で定める休憩時間数の基本ルール

 休憩は、労働基準法第34条に規定されています。
 ルールとしては次の2種類です。

  • 労働時間に対する休憩時間数のルール
  • 休憩の取らせ方に関するルール

 まずは、休憩時間数のルールについて説明します。
 休憩の取らせ方は、休憩を付与する上でのルールとは?【休憩の三原則】で後ほど解説!

休憩時間数のルール

 休憩時間は、労働時間数に応じて次のとおり付与するよう定められています。

  • 労働時間が6時間を超える場合は45分以上
  • 労働時間が8時間を超える場合は60分以上

 超えるという部分がキーワード
 次に、具体例で説明します。

6時間労働の休憩

 労働時間が6時間ちょうどの場合は、休憩時間は何分必要でしょうか。

 正解は、休憩を与えなくても法律違反はないということになります。

 6時間を超える場合と定められているので、ちょうど6時間なら休憩を付与しなくても違法ではありません。

 ただし、法律上の問題はなくても、健康上の問題が起こる可能性があります。
 例えば、真夏の炎天下で6時間ぶっ通しの作業をしたら、熱中症で倒れてしまうかも。

 事業主には労働者に対する安全配慮義務がありますから、法律のルールによらず、職種や環境に応じて適宜休憩時間を設ける必要があります。

8時間労働の休憩

 労働時間が8時間ちょうどの場合は、休憩時間は何分必要でしょうか。

 正解は45分です。

 法律上『8時間を超える場合は60分以上』となっているので、ちょうど8時間なら45分の休憩を付与すれば事業主は義務を果たしていることになります。

 45分以上ならいいので、もちろん60分付与してもかまいません。

 労働時間が8時間1分以上で、休憩60分が義務となります。

休憩時間の付与の仕方に関するルールとは?【休憩の三原則】

 ここまで、休憩時間数のルールについて説明しましたが、ルール通りの時間数で休憩を付与するだけでは不十分で、付与の仕方にもルールがあり、【休憩の三原則】と呼ばれています。

  1. 労働時間の途中に与える
  2. 一斉に与える
  3. 自由利用させる

労働時間の途中に与える

 休憩時間は、始業前終業後に付与することはできず、労働時間の途中に付与しなければなりません。

 こういうことってありませんでしたか?
 飲食店のアルバイトで、忙しすぎて休憩なしでぶっ通しで働いて、上がりの時間になった時に店長から「まかない食べて休憩して帰って!」とか「休憩取れなかった分1時間つけといて!」とか言われたこと。

 これってつまり、終業後に食事休憩をとったり、休憩時間の代わりに賃金で払ったり、ということですよね。だから、労働時間の途中に休憩を与えたとは言えない

 よくありそうなんですけど、これらの行為は厳密に言えば法律通りの休憩を与えていないことになり、違法なのです。

一斉に与える

 休憩は、一斉に与えることが法律上の義務になっています。

 え、そうなの? 交代で休憩をとるとか、職場では当たり前じゃない? と思いますよね。私もそう思います。

 「他の人が働いていると休憩しにくいと思ってしまって、労働者がしっかり休憩をとることを妨げてしまうから」という趣旨で定められたようです。なんとも日本人的な感覚ですね。

 とは言え、一斉休憩が無理な職種もありますので、次の業種は一斉休憩の適用除外となっています。

一斉休憩の適用除外の業種

運輸交通業 商業 金融・広告業 映画・演劇業 通信業 保健衛生業 接客娯楽業 官公署

 なお、適用除外の業種でなくても、一斉休憩の適用除外に関する労使協定を締結すれば一斉休憩の適用除外とすることができます。

引用元:神奈川労働局労働基準法関係【参考書式(様式/記載例)】一斉休憩の適用除外に関する労使協定書

自由利用できること

 自由利用できない休憩ってそもそも休憩じゃないじゃん!って感じですよね、おっしゃるとおりです。

 戦時中の就業規則には「休憩時間中は体操をしろ」と定められていることが多かったそうで、戦後すぐ制定された労働基準法ではわざわざ「自由利用できること」という規定が加えられたらしいです。

 休憩時間の自由利用が法律の権利として認められていると言っても、事業場が休憩時間中の外出を届け出制にしたり、休憩中の同僚に政治的ビラを配る行為を禁止したり、一定の制限を行うことは違法とはされていません。

 よく問題が起こるのは、事業場内にいることを求めた上で、電話や来客があったら対応するよう事業場が指示するケースですね。これについては、後述の《昼休みの電話番》で詳しく説明します。

休憩時間のルールの対象者とは?対象外となる労働者もいる

 ここまで、休憩時間数や休憩の付与の仕方に関するルールについて解説してきました。

 ところで、休憩時間のルールは全ての労働者が対象なのでしょうか?
 実は、対象外の労働者がいるのです。なんと、休憩を与えるという概念がない。

 ここで改めまして、対象となる労働者・対象とならない労働者について説明します。

対象:パートでもアルバイトでも休憩付与のルールは同じ!

 労働基準法の休憩時間のルールは、雇用形態によらず適用となります。

 つまり、正社員、パートタイム、アルバイト、嘱託・・・といった雇用形態に違いがあっても、6時間を超えれば45分・8時間を超えれば60分という休憩のルールは同じです。

 ただし、次のような労働者は適用除外となります。

  1. 労働基準法第41条に規定する労働者
  2. 高度プロフェッショナル制度の適用となる労働者

対象外:労基法第41条に規定する労働者

 労働基準法第41条において、次の労働者には労働時間、休憩及び休日に関する規定を適用しないと定めています。

労働基準法第41条(抜粋)

(1)別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
(2)事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
(3)監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

 (1)は、農業・水産業・畜産業・養蚕業の労働者のことです。
 この種の事業は、天候などの自然的条件の影響を受けやすいため、労働時間とか休憩のルールを当てはめることがなじまないという理由で、適用除外となっています。

 (2)は、管理監督者またはその秘書のことです。
 ここでいう管理監督者とは、経営者と一体的な立場の労働者のことで、一般企業におけるいわゆる管理職よりも対象となる範囲は狭いです。

 高度な経営判断を担っているので、労働時間とか休憩とかいう次元ではないという意味合いで適用除外となっています。
 そして、そんな管理監督者と行動を共にするような秘書も適用除外となっているわけです。

 (3)は、労働基準監督署長断続的労働の適用除外あるいは宿日直の許可をした業務に従事する労働者のことです。
 ほとんどやることはないけど誰かそこにいないといけないという仕事が対象で、よくあるのは夜間の宿直業務とか、定休日の日直業務、寮の管理人などです。

対象外:高度プロフェッショナル制度の適用となる労働者

 労働基準法第41条の2に定める高度プロフェッショナル制度の対象労働者は労働時間や休憩の規定が適用除外となっています。

 高度な専門的知識等を必要とする業務に従事し、年収が1075万円以上の労働者が対象で、労使協定を締結して労働基準監督署長に届け出ていることが条件です。

 年収要件が高額なので地方では少ないですが、東京などの都会だとたくさん生息しているらしいです。(高プロができた頃は地方勤務だったので、私はほとんど関わったことがありませぬ・・・)

休憩時間に関するトラブル事例

 休憩に関する相談の数は、ベスト5に入るとまでは言わないものの、それなりの数があります。

 次に、休憩時間に関してよく相談があったトラブルの事例について、いくつか取り上げたいと思います。

休憩がとれない

 「他の人が働いているから取りづらい」という相談を受けた時は、「勇気をもって休憩してください!」と励ましていました。だって、そうするしかありませんから。(おつきあい労働はやめましょう!

 休憩がとれない問題は、意外と根が深いです。
 業務量が多くて休んでいる暇がないのか一人で店番をしているから人員体制的に休めないのか、背後にある理由を分析する必要があります。

 単に「休憩をとってね」と労働者に指導するだけでは、たいていの場合解決しません。仕事の割り振りなり人員体制なり、抜本的に見直さないと根本的な解決に至らないので、そういう意味で根が深いです。

 それから、休憩がとれない問題には次の2つの法違反が存在しています。

  1. 休憩を取らせていない法違反がある
  2. 休憩時間に労働した分の賃金不払の法違反がある

 2について事業場側は見過ごしがちですが、休憩せずに労働した時間に対しては賃金も払わないといけないですよ。労働基準法で言うと、休憩の付与は第34条、賃金の支払いは第24条で義務付けられています。このため、1だけ改善しても24条違反は残るし、「お金で払えばいいんでしょ」と2だけ是正しても34条違反が残るのです。

昼休みの電話番

 接客のある業種で、よくありますよね。
 昼休憩中、お弁当を食べながら、電話が鳴ったら慌てて飲み込んで受話器をとるというシーン。

 私が勤務していた監督署では、昼当番を設けていました。正午から1時間が昼休みですが、昼当番の人は昼休み時間帯に電話や来客の対応を行い、13時から1時間昼休憩をとるというやり方です。これなら問題ありません。

 昼休み時間帯の対応がそれなりにある事業場は、このようなやり方をしていることが多いと思いますが、昼休み時間帯の対応数が少ない事業場では、昼休憩中の人に電話番をさせる方式にしていることがあります。

 でも、「食事をとっていていいけど、電話が鳴ったら対応してね」と指示するこのような時間は手待ち時間といい、休憩時間とはノットイコールなのです。

 手待ち時間とは、必要があれば即労働をしなければいけない状態で待機している時間ですから、労働時間であって、賃金を支払うべき時間です。つまり、自由利用が原則の休憩時間として扱うことはできないのです。

 このため、昼当番制にするか、電話は留守電にするなどの対応が必要です。うちの近所の銀行は11時30分から1時間の間はシャッターを下ろしています。昼休憩中は一切対応しないといういさぎよい姿勢に感心です。

仮眠時間の取り扱い

 夜勤の仕事だと、仮眠の時間が設定されている場合があるでしょう。

 寝ているのだから、労働はしていない。つまり、休憩時間として扱ってよいか?

 それは、仮眠時間の性質によります。

  1. 夜勤は複数人体制。1人が仮眠している時間は別の労働者が対応する
  2. 夜勤は1人体制。仮眠している時間も呼び出されたら対応する

 1の場合は、仮眠時間として設定している時間を休憩時間として取り扱ってもよいでしょう。でも、2の場合はダメです。どうしてですか。そう、2の仮眠時間は手待ち時間だからです。

 2の場合で、「とは言え、仮眠時間に対応することなんてほとんどないんですよ!」ということならば、上述の《対象外:労基法第41条に規定する労働者》で出てきた断続的労働の許可をとることをおすすめします。そうすれば、休憩時間の条文が適用除外となるので問題ありません。

長すぎる休憩時間

 数は少ないものの、時々寄せられたのはこの相談です。
 また、事業場に調査に入った時に見つけることもありました。

 休憩時間がとれない問題に比べれば、休憩時間が長いなんて悪くないという考え方もできるかもしれませんが、長すぎる休憩時間賃金不払残業の温床となり得るので危険なのです。

 長すぎる休憩時間の例として、営業職の休憩を3時間と設定しようとした事業場が過去にありました。「営業職は外回り中3時間ぐらい遊んでいる」とその事業場の方は言っていましたが、私は全力で止めました

 顧客の都合で待ち時間が発生するのはよくあることだと思いますが、ぼーっと待つというよりは、資料を見たり商談の予習をしたりしてなんらかの仕事をすることが多いと思います。

 そんなことをしたりしない不真面目な営業マンの方に合わせると、真面目な営業マンの賃金不払残業が起こり、離職労働トラブルにつながってしまう恐れがあるのです。外回りという働き方をさせるなら、少しばかり長めの休憩は目をつぶるしかないというところです。賃金不払の法律違反を犯すよりマシです。

不要な休憩時間

 不要と思われる休憩時間を設定している事業場もありました。1日8時間労働・昼休憩60分の事業場で、残業をする場合は終業後30分の休憩をとらせるというものです。

 確かに、8時間働いたら少し休憩を入れた方が体力の回復や能率アップにつながるのかもしれません。でも、1時間残業する予定でその前に30分休憩すると、帰るのは1時間30分後になりますよね。

 そこは早く帰りたいと思うのが人情ですから、結局休憩せずに1時間働いて帰ろうとするわけです。私だったら、絶対休憩しません!(笑) 家に帰っても家事や育児などやることがてんこもりなのに、戦場のような時間帯である夕方に、30分も自分のためにぼーっとするなんて考えられません!

 その結果、どうなるか。事業場側は30分は休憩だと主張し、残業代は30分しかつけない。はい、賃金不払残業のできあがりです。そんなリスクの高い30分の休憩時間なんて、やめてしまいましょう。

 難しいのは、所定の休憩時間が45分の事業場の場合です。所定労働時間が8時間ちょうどならば休憩時間は45分で構いませんが、残業によって8時間を超えるならば追加で15分残業時間の途中で付与しなければなりません。

 このために、残業する際に15分休憩するよう定めている事業場が、実際にありました。御多分に漏れず、休憩とされている15分に労働者が働いてしまい、賃金不払残業となっているという労働相談を元に調査に入ったのです。

 「昼休憩を60分にして終業後の15分休憩を廃止しては?」と提案したのですが、「昼休憩を15分長くすると、全く残業のない部署の終業時刻が15分遅くなるので苦情が起こる」とのことでした。

 ぐぬぬぬ・・・こっちを立てればあっちが立たない。なかなか難しいものです。ただ、事業場がとるリスクを考えれば「昼休憩を60分にする」の方がよいので、そうするようお勧めしました。

休憩時間に関するよくある質問

 事業場側から・労働者側からのいずれのケースもありますが、ここからは、労働基準監督署によく寄せられた質問をご紹介します。

休憩時間は無給なのか

 当たり前のようでいて、素朴な疑問ですが・・・。

 休憩時間と言っても、休日と違って事業場内にいるなどの一定の拘束があるので、このような疑問が浮かぶのでしょうね。

 そのとおりです、休憩時間は賃金が発生しません

 でも、真の意味での休憩時間ならば、という前提です、もちろん。

 休憩時間と言っても実質手待ち時間だったり、労働が発生したらその時間の分は、労働時間として賃金を払う必要があります。

12時間働いたときの必要な休憩時間は?

 上述《休憩時間数のルール》のとおり、労働時間が6時間を超えたら45分、8時間を超えたら60分必要なわけですが、時々「それ以上なら?」という質問が寄せられます。

 結論から言いますと、何時間働こうとも休憩時間は60分でいいということになります。つまり、12時間労働でも休憩は60分で構いません。ただし、法律上はという条件付きです。

 繰り返しになりますが、法律上の問題はなくても、健康上の問題が起こる可能性があります。

 人間ですから、トイレにだって行きたいし、水分や食事をとる必要もあるでしょう。労働の内容や環境に合わせて、法定以上の休憩時間を付与することも労働の現場では必要です。

労働時間が6時間以下でも休憩時間は必要?

 こちらも《休憩時間数のルール》で説明したように、労働時間が6時間未満の場合、法律上は、事業主に休憩を付与する義務はありません

 だけど、意外と長いんですよね、6時間って。だから、法律の義務とは別に、労働の現場では必要に応じて休憩をもうけた方がいいでしょうね。

 私は高校生の時にとあるファーストフード店でアルバイトをしていたのですが、9:00~15:00(実働6時間・休憩なし)という土日のシフトがあって、食べ盛りの高校生にとって大変苦しいシフトでした。。。

 14時台なんて、もはや集中力のカケラもなかったですよ。よくレジとか間違えなかったものです。それで「笑顔!」とか店長から言われるのですが「無理だろ!」って話です。

休日出勤中の休憩時間のルールは?

 通常勤務に対して、休日出勤というのは労働基準法でも特別扱いしている労働時間です。

 休日を返上してまで勤務しているのだから、休憩時間も特別なルールがあるのでは? あるいは、休日労働という特別な区分だから、休憩時間という概念もないのでは? とか、様々な疑問が起こるようです。

 結論を言うと、通常労働と同じルールです。休日労働時間が6時間を超えたら45分、8時間を超えたら60分の休憩が必要です。

分割休憩は法律上認められるか?

 業種や職種によっては、まとまった休憩時間がとりにくい場合があると思います。

 このため、労働基準法では、法定の休憩分割してとらせることを禁止していません

 分割しすぎて休憩時間が短すぎる場合、今度は「それって休憩と言えるの?」という問題に発展しますので、「10分の休憩を6回で合計60分!」とかはやめてくださいね。

 労働者が労働から完全に開放されて自由利用できるという大原則を満たせる程度の休憩時間である必要があることは言うまでもありません。

残業中の休憩は何分必要?

 上述《不要な休憩時間》に近いテーマですね。

 結論としては、通常労働の途中で法定の休憩をとっていれば、残業中に休憩を付与する義務はありません

 少し面倒なのは、所定の休憩時間が45分の事業場の場合です。所定労働時間が8時間ちょうどならば、法定の休憩時間は45分で構いませんが、残業によって8時間を超えるならば追加で15分を残業時間の途中で付与しなければなりません。

 この残業開始前の休憩が、賃金不払残業の温床となることは《不要な休憩時間》のとおりです。だから、通常の労働時間の途中で60分休憩にした方がいいです。

休憩中の外出を許可制にすることは違法か

 外出を許可制にすると、休憩時間は自由利用させるべきという原則に相反するのではないかという疑問です。

 結論から言うと、一概に違法とまでは言えない(合理的な理由があって、労働者に十分配慮していれば適法と言える)ということです。

 行政解釈としては、『休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない』ものであって、『事業場内において自由に休息し得る場合には、必ずしも違法にはならない』とされています。

 ですから、例えば保安上の問題などで外出を許可制とすることは法律上あり得るわけで、その際にも原則として許可するし、外出しなくてもしっかり休憩するスペースがある、という前提が必要ということですね。

休憩を付与しないと処罰されるのか

 休憩の条文は罰則付きですから、休憩を与えなかった場合や休憩の三原則を守った休憩でなかった場合は、『六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金』という罰則が規定されています。

 休憩時間について労働基準監督署に相談が寄せられれば、労働基準監督官がその事業場に調査に入り、法違反是正勧告する場合もあります。

 処罰される前提として、労働基準監督署が事業場を送検するという段階がありますが、罰則付きの条文だからといって、法律違反があった全ての事案が送検されるというものではありません。

 基本的には指導に沿って是正すれば、送検まで至ることはまれです。

 事業場は適法な休憩時間を付与するよう努めるとともに、もしも労働基準監督署から指導されたら、迅速に是正するようにしましょう。

さいごに

 休憩についてのお話、いかがでしたでしょうか。

 労働基準監督官時代の私は、合同庁舎の食堂で同僚と昼ごはんを食べながら雑談をするのが好きでした。
 気の合う同僚とのざっくばらんなトークは、何よりのストレス解消!
 午後からもがんばっていこー!と仕事への活力にもつながりました。

 意外と細かいルールがある休憩時間についての規定ですが、法律はもちろん抑えつつ、労働者が充実した休憩時間を過ごせるよう、配慮していきたいものですね。

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