
そんなニーズにお応えした、労働基準法をひと通り学べるこのシリーズ!
元労働Gメンがわかりやすく解説します♪
就業規則は、事業場側にとっても労働者側にとっても大事!
今回は、次のような疑問に答える内容で解説していきます!

就業規則とは

つまり、労働者にとっても事業場にとっても大事!就業規則のルールを学んでいきましょう
就業規則の作成が必要な事業場とは

就業規則はすべての事業場で作成する必要がありますか?

労働者が10人以上の事業場で、就業規則の作成と届け出の義務があります!
労働基準法 第八十九条(作成及び届出の義務)
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。(以下略)

10人とは、パート、アルバイト、契約社員、嘱託職員も含めての人数です
就業規則を作成するメリットとは

就業規則を作成すべき理由って?

ルールをはっきりさせることでトラブルを回避することが目的です

それなら10人未満の事業場でも作成した方がよさそうですね

ですね。あとは、助成金を受けるために必要という理由で作成している事業場もありました
就業規則を作成・届け出しないとどうなる

就業規則を作成・届け出していないとどうなりますか?

最悪のケースでは、三十万円以下の罰金刑です

よほどのことがない限り2の罰金刑になることはないでしょう。1の文書指導は普通によくあります!
就業規則の記載事項
絶対的記載事項
就業規則に、必ず記載しなければならない事項は次のとおりです。
- 始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて交替で就業させる場合は就業時転換に関する事項
- 賃金の決定、計算・支払の方法、賃金の締切、支払の時期
- 退職(解雇を含む)に関する事項

働く上で、大事なことばっかりですね
他に、就業規則に記載した方がよい事項は次のとおりです。
- 育児・介護休業などに関する事項
- パートや契約社員など正社員以外の労働者に関する事項
相対的記載事項
事業場で定めがある場合に、記載が必要となる事項は次のとおりです。
- 退職手当を定める場合は、それが適用される労働者の範囲、手当の決定、計算・支払方法、支払時期
- 臨時の賃金など
- 食費、作業用品などを負担させる定めについて
- 安全衛生に関する定めについて
- 職業訓練に関する定めについて
- 災害補償および業務外の傷病扶助に関する定めについて
- 表彰および制裁の定めについて
- 労働者のすべてに適用される定めをした場合はそのことについて

退職手当は労働者の関心が高い事項ですね。制裁というのは?

例えば、ルール違反の場合の罰金などですね。定める場合は、労働基準法第91条の規定の範囲内としなければいけません
労働基準法 第九十一条(制裁規定の制限)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
就業規則の作成~届け出の流れ

とりあえず作成して労働基準監督署に出せばいいんですか?

実は色々とやることがあります!
- 1規則本体を作成
- 【就業規則の作成方法】へ
- 2「労働者代表」を選出し、意見書をとる
- 3労働基準監督署に届け出る
- 届け出書類の作成:【届け出書類の作成例-届け出の表書き】へ
- 届け出方法:【就業規則の届け出方法】へ
- 4労働者に周知する
- 【就業規則の周知方法】へ
就業規則の作成方法-モデル就業規則を活用しよう

就業規則を一から作るのは大変そうです

ご安心ください!厚生労働省のHPにモデル就業規則があります
- 全体ページ:厚生労働省「モデル就業規則について」
- モデル就業規則本体:Word版・PDF版・外国語版・やさしい日本語版

就業規則の規定例とその説明があるので、自社のルールに置き換えながら作成しましょう
届け出書類の作成例

届け出するために、就業規則本体以外にも必要な書類がありますか

届け出の表書きと、労働者代表の意見書も準備しましょう
様式は、厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーに掲載されています。
届け出の表書き(記入例)

「表書き」とは?

届け出るにあたっての表紙みたいなものです
届け出の表書き(記入例)

厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーより
意見書(記入例)

「意見書」とは?

労働者の過半数を代表する者に就業規則についての意見を書いてもらう様式です
- (労働者の過半数で組織する)労働組合がある場合においてはその労働組合の代表者
- (労働者の過半数で組織する)労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者
労働組合がない場合は自動的に2となり、その選出は、投票などの民主的な方法で行います。
届け出の表書き(記入例)

厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーより

意見がないなら「なし」でもいいので、何か書いてないといけません
就業規則の届け出方法
届け出先

届け出先は、管轄の労働基準監督署ですよね

その通り!管轄外だと受理されませんので要注意。管轄は労働局のHPなどで調べましょう!(例:東京労働局)
届け出書類の準備:2部ずつ用意しよう

表書き、意見書、就業規則(本体)を2部ずつ用意する意味とは?

1部は監督署への届け出用、もう1部は事業場控えとして受理印をもらうためです

届け出の種類:窓口・郵送・電子申請

窓口持参や郵送以外にも届け出方法があるのですね

はい。国は電子申請を推進しています
- 労働基準監督署の窓口に持参する
- 労働基準監督署に郵送で送る
- 電子申請システムで届け出る
- メリット:土日などの閉庁日でも届け出することができる
- デメリット:申請システムの扱いがちょっと面倒
【参考】
労働基準法等の規定に基づく届出等の電子申請について(厚生労働省HP)
「36協定届」や「就業規則(変更)届」など労働基準法などの電子申請がさらに便利になりました!
本社一括届け出

一定の条件に該当すれば本社一括届け出もできます

通常、就業規則は事業場ごとにそれぞれ管轄の労働基準監督署に提出しないといけないけれど……
以下の条件を満たせば、本社を管轄する労働基準監督署に、支社・営業所などの全事業場の就業規則を一括して届け出ることが可能(窓口・郵送・電子申請)
- 本社で作成された就業規則と各事業場の就業規則の内容が同一であること
- 各事業場分の労働者代表の意見書が添付されていること
- 一括届出の対象事業場一覧表を作成すること(電子申請の場合は申請システムで作成)
【参考】就業規則の一括届け出について(厚生労働省HP)

就業規則の周知方法

就業規則の周知は義務!必ず労働者に周知しましょう
労働基準法 第百六条(法令等の周知義務)
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、(…中略…)を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。
以下のいずれかの方法で周知
- 職場の見やすい場所への掲示、備付け
- 就業規則の配付
- 社内LAN・イントラネットによる掲示
就業規則の変更

就業規則の変更の際も、届け出が必要ですよね

その通り!変更後の就業規則全体もしくは変更部分を抜粋したものでよいので、届け出ましょう
就業規則の効力

就業規則は届け出ることによって効力が発生するのでしょうか

いいえ。労働者に周知して初めて効力が発生します。届け出義務を果たしているかどうかは効力に関係ありません
届け出をしていない就業規則の効力

届け出の義務を果たしていない場合の就業規則は有効ですか?

届け出ていなくても、労働者に周知できていれば有効です
周知をしていない就業規則の効力

労働者に周知できていない就業規則は有効ですか?

いいえ。労働者に周知して初めて効力が発生します
就業規則にまつわる疑問・トラブル
労働者10人未満の会社でも就業規則の作成は必要?

労働者が10人未満ということで、法律上の作成義務はないわけですね

はい。法律上の義務はありませんが、作成した方が後々のトラブル防止には役立つと思います
就業規則の不利益変更はできる?

休みを少なくするとか、給料を減らすとか、労働者に不利益な変更をされたら困ります!

原則として、就業規則の不利益変更はできません!
まとめ:就業規則の備えあれば憂いなし

就業規則って、今まであんまり重要視してなかったです

労働者にとっても事業場にとっても守るべきルールが書かれているわけだから、すごく重要よね

ところで林檎物産の就業規則はどこにあるんですか?

社内イントラネットに公開されてるし!人事係にいて知らなかったとは……