今回、職場の「安全衛生管理体制」をテーマにした本を出版しました。
本書は、昨年出版した
職場の安全衛生のポイントを元労働Gメンが解説!【健康管理編】
に続く、シリーズの第2弾です。
安全衛生管理体制というと、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医、安全委員会や衛生委員会など、さまざまな役割や仕組みが登場します。
さらに近年の法改正により、化学物質管理者や保護具着用管理責任者など、新たに選任が必要となる職種も増えています。
どの職種を選任し、どのような体制を整える必要があるかは、事業場の業種や労働者数によって異なります。
「自社では、誰を選任しなければならないの?」
「それぞれ、どんな仕事をする人なの?」
「安全委員会や衛生委員会では、何を話し合えばいいの?」
安全衛生の担当者になったものの、全体像がつかみにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、安全衛生管理体制について、実務に必要な知識を体系的に整理した1冊としてまとめました。
この記事では、この本の見どころをお伝えします。

担当者が抱きやすい安全衛生管理体制のギモン
安全衛生管理体制について、こんな疑問を感じたことはありませんか?
自社では、どの職種を選任しなければならないの?
総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医など、選任が必要となる職種は、事業場の業種や労働者数によって異なります。
業種と労働者数の組み合わせによって選任義務が細かく分かれているため、自社に必要な職種を判断するだけでも迷うことがあります。
安全管理者・衛生管理者・産業医は、何をする人?
それぞれの職種について、名前は知っていても、具体的な役割や業務内容がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
選任して終わりではなく、実際にどのような業務を担ってもらうのかを理解しておく必要があります。
安全委員会や衛生委員会では、誰が何を話し合うの?
安全委員会や衛生委員会は、設置要件だけでなく、委員の構成や調査審議事項、運営方法にも決まりがあります。
毎月開催してはいるものの、なんとなく進めるだけになり、法令に定められたルールどおりに運営できているのか、曖昧になっていませんか?
化学物質管理者など、新しい職種がよく分からない……
近年の法改正により、化学物質管理者や保護具着用管理責任者など、新たな職種が設けられました。
「どのような場合に選任が必要なのか」「どのような業務を担当してもらうのか」など、分かりにくい点が多くあります。
このように、安全衛生管理体制には、判断や運営に迷いやすい点が数多くあります。
本書では、法令上の仕組みを整理しながら、実務上の疑問を一つずつわかりやすく解説しています。

この本で身につく実務ポイント
本書では、複雑な法令の仕組みと実務上の対応を結びつけながら、全体像をつかめるようにまとめました。
① 安全衛生管理体制の基本的な考え方がわかる
安全衛生管理体制は、単に法令で定められた職種を選任すれば完成するものではありません。
なぜ必要なのか、事業者や各職種にどのような役割があるのかなど、安全衛生管理体制を理解するための基本的な考え方を整理しています。
② 自社で選任が必要な職種を判断できる
選任が必要となる職種は、事業場の業種や労働者数によって異なります。
総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医などについて、どのような事業場で選任義務が生じるのかを、表や図を用いながら整理しています。
③ 各職種の役割と選任後の実務がわかる
安全衛生管理体制では、適切な資格や経験を持つ人を選任し、必要な業務を担ってもらうことが重要です。
各職種の選任要件や役割に加えて、選任報告、周知、教育など、選任後に必要となる実務上のポイントも解説しています。
④ 安全委員会・衛生委員会の運営方法がわかる
安全委員会、衛生委員会、安全衛生委員会について、設置が必要となる事業場、委員の構成、調査審議事項などを整理しています。
委員会を形だけのものにせず、職場の安全衛生に役立てるための運営上の注意点も取り上げています。
⑤ 具体例を通じて、管理体制の組み立て方を確認できる
法令上の要件だけを読んでも、自社の管理体制を具体的にイメージするのは難しいものです。
本書では、より具体的にイメージできるよう、労働者300人の食料品製造業を例に、どの職種を選任し、どのような委員会を設置する必要があるのかを解説しています。
このように、本書では、安全衛生管理体制の全体像から、職種の選任、選任後の実務、委員会の運営まで、一つの流れとして理解できるように整理しています。

実務の“そこも知りたい!”を深掘りするコラム
本書には、本文の内容を補足し、実務で迷いやすいテーマを深掘りするコラムを多数掲載しています。
安全衛生管理体制について考えていくと、法令上の仕組みだけでなく、「こういうときはどうすればよいの?」という疑問が次々に出てきます。
例えば──
- 「事業」「事業場」「事業者」は、どう違う?
- 各職種を選任したら、どのように報告する?
- 衛生管理者になるには?
- 産業医はどうやって探す?
- 安全管理者などがいない職場の「安全推進者」とは?
こうした、実務を担当する中で気になりやすいテーマをコラムとして取り上げています。
本文とあわせて読むことで、安全衛生管理体制への理解をさらに深められる内容になっています。

こんな方におすすめ
本書は、次のような方に特におすすめです。
▶︎安全衛生の担当になったばかりで、何から確認すればよいか分からない方
安全衛生管理体制の全体像と、職場で必要となる対応を基礎から整理できます。
▶︎安全管理者・衛生管理者などとして、すでに実務を担当している方
選任要件や役割だけでなく、選任後に行うべき業務や実務上のポイントを確認できます。
▶︎人事・総務部門で、職種の選任や労働基準監督署への報告を担当している方
自社で必要な職種や手続を確認しながら、実務を進めるための参考にできます。
▶︎社会保険労務士など、企業から安全衛生について相談を受ける方
事業場の業種や労働者数に応じた管理体制を整理し、相談対応や助言に活用できます。
▶︎経営者や管理職として、安全衛生管理体制の基本を押さえておきたい方
各職種や委員会がどのような役割を担い、職場の安全と健康を守っているのかを理解できます。
「自社に必要な体制を確認したい」「選任後の実務まできちんと理解したい」という方に、役立てていただける内容になっています。
おわりに:安全衛生管理体制は職場を守る土台
職場の安全衛生は、一人の担当者だけで進められるものではありません。
事業者を中心に、安全管理者、衛生管理者、産業医などがそれぞれの役割を果たし、安全委員会や衛生委員会で意見を出し合いながら、組織として取り組む必要があります。
各職種の選任や委員会の設置は、単に法令上の義務を果たすためのものではなく、働く人の安全と健康を守る仕組みを職場の中につくるためのものです。
一方で、安全衛生管理体制に関するルールは、業種や労働者数によって異なり、登場する職種も多いため、全体像をつかみにくい場合もあります。
だからこそ、自社に必要な体制を整理し、それぞれの役割や選任後の実務まで見渡せるものが必要だと考え、今回の1冊をまとめました。
本書が、みなさまの職場に必要な安全衛生管理体制を確認し、より実効性のある取り組みを進めるためのガイドとして、役立てていただけたら嬉しいです。
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※この記事はnoteで公開した内容を加筆修正したものです。
